大阪から東京方面に帰る手段の王道は新幹線、飛行機、高速バスのどれかだろう。
でも最近、鉄道の王道、すなわち新幹線または名古屋〜京都間は米原を経由する東海道線以外も試してみないとなと思った。先日は近鉄で大阪〜名古屋間に乗ってみてこれがなかなか良かったので、今度は関西本線経由で大阪から名古屋まで行ってみることにした。移動を楽しめるかが旅が楽しめるかの分かれ目です。
関東の人間なのであまり関西本線、特に亀山〜加茂の区間はほぼノーマークというか意識に無かった。ここは非電化区間(電車って言うと怒られるやつですよ!)で、時刻表を見ても1時間に1本、どローカル線である。
この路線は蒸気機関車の時代は結構長大な列車も走っていたらしく、その名残りでやたらと駅のホームが長い。そういう遺構というか、「昔は賑わいもあったんだねえ…」みたいな夢想で時代を感じさせるところがたまらないんですよね。
この路線で活躍するキハ120。ホームの長さ、複線、跨線橋、いずれもミスマッチすぎて良い。
途中、伊賀上野という駅でローカル線の「伊賀鉄道」に乗りかえてみた。
北の関西本線、南の近鉄を結ぶ格好。主要な街の「上野市」で下車する。
そもそも忍者市を名乗りだしている。
コナン空港とか殺人事件ベースの漫画を施設名に持ち出すくらいなので、ニンジャをプッシュするくらい全然良いだろう。というか伊賀と甲賀といえば対抗する忍者軍団だとハットリくんで学んだ。
ちなみに伊賀鉄道の列車内にはこんな感じで忍者がいる。Twitterで炎上する高校生か。
インスタのストーリーから炎上する高校生。
しかし……忍者って冷静に考えると何なんだろうな。大抵のファンタジーものにも出てくるし、何でもできちゃうような超人の扱いもある。現代で言うとパルクールの選手くらいの動きが精々だろうに……。
伊賀鉄道はこのように忍者が列車の全面に描かれているのも大きな特徴。ちなみに松本零士先生デザインなので、もし他社が列車の全面に目を描いたら槇原敬之よろしく「パクっただろ?」とインネンをつけられます(嘘です)。
「見てるぞ!」のステッカーも松本先生にインネンを付けられます(嘘です)。
中心街の雰囲気はこんな感じ。街並みはよく整備されている気がします。個人的にはもっとガチャガチャしてる街が好きですが…。
電話番号のケタが少ない看板はたまらないですね。
ハマプラス。そういえばラブプラスがスマホで復活したみたいだけど、DSで放置したカノジョと復縁したカレシたちいますか。女心はね、変わるよ。残酷なほどにね。
2時間ほど散歩したあと、伊賀上野駅に戻る。本当は伊賀城とか忍者博物館とかの観光施設もあるのだけどそういうのは興味無かったのでスルー。
なお伊賀上野駅の駅前は完全に店とかすべて潰れていました。
【乗り鉄旅あるある】より旅先ならではの!外さない食事を!と思ってたのに遂に食べそびれて非常食に頼る pic.twitter.com/BwUklYU2w7
— 赤祖父 (赤ソファ) (@akasofa) November 8, 2019
なんか忍者市で食べておけばよかった。
通称「加太越え」という坂のあたり。加太駅から柘植駅の間あたり。このへんはむかし鉄道で越えるのが大変だったようで、実際結構な勾配になっていた。ひとりで上がってる下がってるを感じていた。知識が世界の解像度を上げるという話があるが、鉄道に興味が無ければまったくこのあたりにロマンは感じないだろう。それが悪いということではなくて、世界の楽しみ方は色々あるよという話。ぼくが持てていない別の解像度で見たら広がる世界もあるだろうし。
いいサイトがあった。
個人的には蒸気機関車そのものにはあまり興味が無いのだけど、かつてこうしてこの路線も重要な役割があったのだなあ、とか、スイッチバックしていかないと登れなかったほどなのだなあみたいな感動がある。
ところで伊賀上野の隣駅くらいから、制服JKとハイアンドローの登場人物みたいな格好のキッズ男子が乗ってきた。さてはこのあたりから都会に遊びに行くのだろうか…と思うとちょっと応援したくなった。田舎で都会ぶるのには結構な努力が必要だと思う。なにせここからだと四日市ですら2時間近くかかるからな!
……と思ったら、非電化区間が終わり、乗り換えになる亀山駅でJKのスカートが盗撮されたとかで女装のオッサン?をハイローキッズがとっ捕まえたり警察が来たりで結構な騒ぎになっていた。亀山から名古屋行きの列車だってそんなに本数多くないのに、JKとキッズはその騒動でぼくの乗る列車には乗ってこなかった。早く都会に行きたかっただろうにな…。
四日市駅前の明るい商店街、入れなくなってた。もうかなり崩壊してるし近いうちに消滅ですかね… pic.twitter.com/dNfnzHH2ml
— 赤祖父 (赤ソファ) (@akasofa) November 8, 2019
こっちは2016年に撮影したときの様子。
JR四日市駅近くの三和商店街、いっそう崩壊が進んでる様子だった。これでも営業中の店も残ってるのがすごい pic.twitter.com/HuIt0TWkL9
— 赤祖父 (赤ソファ) (@akasofa) March 14, 2016
もう「味わい」や「渋み」を越えて危険水域ですからね。仕方がない。いつまでもあると思うな親と万物。つまり万物はいつまでもあると思ってはいけない。