赤祖父マップ

ただの日記です。

日記20210518/おしゃべりタクシー

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朝4時のタクシー。夜勤明けで電車の動いていない駅前に待機している列の先頭の車に乗った。個人タクシーだ。

この運転手のオッチャン、オッチャンというか70代らしいが、まあまあよく喋るのである。そういう喋る運転手はよくいるし、あるあるなネタでもある。何しろこっちは夜勤向けに昼寝しようとして前日に昼酒を飲んだのに結局眠れずただただ飲酒のダメージを抱えたままで睡眠なしでぶっ通して仕事をしてきた後なので当然めちゃめちゃ眠く、少なくとも黙っていたら確実に寝る状況だったのだけど、別にイラッときたわけでもないしまあいいかと思ってタクシーだけでなくその話にも乗ることにした。いやでも眠いんだよほんとに。なおオッチャンが70代というのもまさに会話の中で知ったことなので先に書きましたよ。

基本的にぼくの場合は深夜〜早朝にタクシーに乗ることが多く、そういう仕事があるときで電車がないという合理的な理由付けで申請できるときなので、飲んでるわけでもなくオミズ系でもないサラリーマンがそういう時間に乗ると理由を大体聞かれる(腐っても守秘義務もあるので仕事なんですよ〜くらいしか言えないが)。だけども今回は逆にオッチャンの身の上話から始まり、私は中華料理屋のコックだったんですよ、でも拘束時間が長くてね……とオッチャンの半生を強制的に知る。

『ポツンと一軒家』という番組が老人に人気なのは、一軒家そのものよりも一軒家に住まう平凡な家主、しかし平凡とは言いながらもその人だけの半生があり、それをVTRで振り返る構成になっていて、これがなかなかにして老人の共感を呼ぶらしいのだ。例えばそう、私の日記をご覧いただいている貴方と同じ気持ちなのではないでしょうか。平凡な人間の日常を垣間見てそこそこのヒマを潰してくださっているという、みたいな。

要は時間の自由が効くタクシーに転職してもうン十年んですよという話を聞いた。中華料理カレーとか中華料理オムライスとかの話が聞けるだろうか、と働いていた当時やってましたか、と聞くと、カレーはあった気がするが業務用のやつを業務用レシピ通りに作っていた、それで美味しかった、オムライスは無かったと思う、割と正統派系な店だったから、という話だった。

そんな流れから青椒肉絲や麻婆豆腐の作り方まで話が盛り上がってくるとこのオッチャン、ナビは無視するし(なおナビの設定はぼくがしてあげた)信号が青になっても進まないしで結構ヤベー感じを出していたのだが、「ナビより近く速く行くから大丈夫」「青はすみません気付かなかった」とのことで頼もしいとかはなく普通に怖かった。でも始発を待つよりだいぶ早く自宅に着いたので助かった。「人生、無駄な経験なんかひとつもないですよ」とオッチャンが言うので「コックの経験は運転手としても何か繋がってますか?」と聞くと特に無いとのことだった。まあでもこの謎雑談には繋がったかな。

 


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そしてオッチャン、よくわからないけどカード決済の端数の300円をキャッシュバックしてくれた。相当会話がしたかったんだな……。眠かったけどまあ今日のネタになったしいいです。