ハイエナズクラブ休止によせて
ここは私の日記ブログですがこの内容は記事というより私個人のお気持ち表明なのでこちらに書きます。
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ハイエナズクラブが休止になります。まずはこの集まりに誘ってくれたzukkiniさん本当にありがとうございました。私のインターネットライフが変わり、私の人望とコミュ力だけでは絶対にありえないほど交友関係が広がり、私ひとりの力ではできないことを色々経験させて貰うことができました。一生の宝です。棺桶にはハイエナズクラブと「うどんが主食」のステッカーを貼って燃やしてもらうことにします。

そして周りから見ると、例えば内部のケンカとかみたいにネガティブに見えるかもしれないですが、そういう感じではない(と、私は思っている)です。誤解されたりするのも本意ではないので、この記事は私のお気持ち表明と具体的な背景事情を徒然なるままに(←つまんないブログあるあるの枕詞、というのすら通じない時代になったね…)書き連ねたいと思います。
これからももし機会があればインターネット活動・ライター活動などにお声がけ頂くことは嬉しいし、できることが前より幅が狭まったけど内容がやれるものならやりたいし、多分記事を書く赤祖父としては現状傍から見たらオワコン状態であるとは思いますが、私自身としては別途で新しいことをネットで続けていて相変わらず毎日数時間PCに趣味として向かい続けている情熱はあります。ほんとだよ。(そっちは赤祖父として宣伝する意味も無いので別名義でやっています)
休止のきっかけ
もともとはzukkiniさんが数年間仕事で海外赴任されるということがあり、管理権限を持っていて、かつ国内でこれまでと同じような仕事を同じテンションで続けている私が管理一式を任せて頂くことになりました。家族まるごと引っ越してお子さんもいる中で海外生活&勤務を始めるようなダイナミックな人生の変化に並行して趣味としてのインターネットサイト管理とか、普通の神経でできるわけがありません。そういうこともあってズキさんが帰ってくるまでは私がなんとか代わりにサイトを維持していこうと考えました。
そして数年経ち、帰国後ある程度生活が落ち着いたであろうタイミング、かつサーバー更新の節目のタイミングを見て、私からzukkiniさんへ管理をお返ししたいと申し出たのが具体的な休止のきっかけになります。返すといってもご本人もお忙しいというのは重々わかっていて、無責任に投げ返したという部分もあります。そういう意味では本当に申し訳ないのですが、私自身も後述の理由でハイエナズクラブをこのまま維持するだけ維持するということに関しては意味を感じなくなっていたので、きっちりご相談をさせてもらいました。私がやっていたサイト維持はほぼ本当にただの維持だけで、私自身記事投稿も管理もロクにせず、ミスター・ハイエナズクラブのケアムーラさんとミセス・ハイエナズクラブのさとみこんこんさんが定期的に記事を書いてくださる(こういうところもまたミスター&ミセス・ハイエナズクラブですね)ことだけが唯一の命綱という状況でした。放置ではなく休止という一旦の幕引きをキッチリされるのはzukkiniさんらしいカッコイイところだと思います。
以下、具体的な私の考える休止の理由ですが、まとめて一言でいうと「サイトとしての役目を終えた」に尽きると思います。バンドとか雑誌とかでもよくこういう表現を使ってて外から見ると「なにそれ」って感じがしますが、マジでそういう表現がピッタリかと思います。
休止の理由
■更新頻度が低くサイトとしてオワコン化した
更新頻度が低くなり、そもそも見に来てくれる人がかなり減りました。更新が無ければ見ない、これは至極当たり前ですが、現実問題として色々なハイエナズクラブ独自の記事群も関連ワードで引いたときにGoogle検索でかなり下位に押し下がり、サーバー代、ドメイン代をダラダラと垂れ流すだけの状況でPVも最盛期の数分の1程度でした。更新頻度が低い理由は後に述べるものも複合的に絡みますが、wordpressの改悪はかなり個人的にキツかったです。記事がかなり書きにくい謎のインターフェースになってしまい、これなら普通noteに記事書くわって感じです。本来は記事を好きなように書いてもらってwordpressへの入稿を管理人がやる、みたいに書きやすい環境を作るのが私の役目ですが、そういう改善管理をサボった責任は私にあります。一方で、私なりにより読まれるよう記事の改良とかのアドバイスを頑張ったりした時期もありましたが、それがクソバイスと捉えられ反感を生んでしまったこともあり、これは自分の老害の入口であり、他人にああだこうだ言うのは辞めようと反省したこともありました。今思えばちょっとした言い回しや構成の違い程度でPVが劇的に変わることなんてまずないので、そんなところで修正を求める私が100%私が悪かったと思います。それからは編集としては最低限の誤字脱字チェックや本当にヤバいラインを超えてないかの炎上要素チェックだけに控えるようになりました。
また次第にサイトとしてのソースやプラグインも老朽化して、いまどきっぽいサイトにアップデートできなくなってしまったことも申し訳ないです。仮にやるなら今のソースを捨てて完全一新が必要な状況でした。
■個々人が大きく活躍・活動できる場が増えた
サイトとしては「死んでないけどただ生きてる」状況な一方で、ハイエナズクラブをきっかけ(踏み台?)に大きく活躍の場を広げるメンバーも多数いました。
藤原麻里菜さんは今や国際的といってもいいクリエイターになりました。
マンスーンくんもバーグハンバーグバーグ社員かつオモコロ副編集長、本も出したりと絶好調です。
増田薫くんもバンドマンとしてフジロックのステージに立てるくらいの凄い人でありつつ、オモコロを始めとしたメディアでメシレポ漫画家としての売れ方もしている。
かとみさん、たばねさん、ショルダー肩美さんなどもオモコロ主力ライターの一員として定期的に記事を出しているし、辰井さんも堅実で骨太な記事を書くウェブライターとしてあっちこっちで見かけます。皆さんの活動はちゃんとチェックしており、何か自分語りをする機会があったときに「今の私があるのはハイエナズクラブのおかげです」と言うかどうか目を光らせています。というのは冗談だけど、マンスーンくんと増田くんは実際に言ってるから凄い。惚れるよ。藤原さんが言ってるのは見たこと無いな。どっかで言ってたらごめん。まあとにかく、発表活動のステップアップの場としてのハイエナズクラブというのはもう「役割を終えた」わけです。今だったらおもしろ記事なら最初からオモコロ杯に応募して面白ければ見初められるし、YouTubeも個人で始めて内容が良ければ自然にバズる仕組みができている。ハイエナを経由する意味がもう無いのです。意味がなければ新メンバーも入りようがない、入れようがない(入るメリットを感じてもらえない)という感じです。
■皆、歳を取りすぎた
ハイエナズクラブが一番元気があった時代の最長老メンバーで30代前半でしたが、今やアラフォーどころかアラフィフに迫っています。このくらいになると、先に触れたメンバー以外のメンバーも子育て育児に奮闘していたり、あるいは会社で、仕事で偉くなってるなどなど、ウェブ上で戯れているような時間も無くなるし、そういうのが面白いと思える価値観自体も変化していきます。私だって一応会社では普通に管理職だぜ? ってな背景もあって、それこそ仕事でやってる、これで食ってるってくらいの位置づけでないと普通はやってられないわけで、休みの日はシコシコ記事書くみたいな時間があればその分子どもと出かける、みたいな普通の生活を大事にするのが当たり前になっていきます。暇で金はないけど面白いものを世に出したい、とか、有名になりたい、みたいな動機付けは一切なくなるわけです。ネットでの存在感が薄くなった人は、リアルのほうが充実しているケースが多いと思いますから喜ばしいことだと捉えたほうがいいのかもしれません。
■ほぼボランティアというスタイルの限界
あくまで趣味の活動の延長なのでいわゆる原稿料、ライター料というのは雀の涙ほどしか出せません。更に言うともっと以前は原稿料はゼロでした。ゼロでも何か発表したい、あるいはかつてのPV数であれば「個人の力を超えて見てもらえる、知ってもらえる」ということを精神的対価としてハイエナズクラブに書く、まさにクラブ活動のように楽しいということをモチベーションに頑張るということが成立していた時代だったからかもしれませんが、時代は変わってそんなのを外部から見て「やりがい搾取」とか平気で言ってくるような時代になりましたし、ハイエナに書いてもお小遣い程度、PVも5桁行けば御の字だけど、オモコロに書いたら結構お金も貰えて数百万人の人に見てもらえるのだとしたらオモコロに書くに決まってます。私だってそうするわ。
今、仮に1記事3万円出ますよということになればとりあえず何か書こうという気合いは入ると思います。が、一般のブログの広告程度でそんな儲かり方はしません。残念だけど。クリエイティブなことをしてゼロイチで記事を生み出すより、漫画の違法アップロードを広告と一緒に貼り付けておくだけみたいなゴミムシ活動のほうが死ぬほど儲かるというというのがネットの悲しい現実なわけです。最近デイリーポータルZが独立されて林さんが頑張っていますが、あのデイリーですらギリギリでやってますという感じですからねえ。
なお補足すると、一定時期以降の原稿料は、イベントや同人誌・グッズ作成・広告費、外部PR記事作成等を通じて資金を貯めているのできっちり精算できるはずです。私もずっとハイエナズクラブの多額の現金を自宅に隠していて使い込まずに持っていたので褒めて欲しい。どっかの脱毛業者みたいなことにはなりません。特に同人誌制作にはメンバーのくみこさんのノウハウが相当デカかったです。くみこさんがいなければ本にできなかった。そうやって色々なメンバーの能力がうまい具合に噛み合って成り立っていたなあとしみじみ感謝するところです。
■「Web記事」が時代に合わなくなってきた
今、何かひとに発表したいから何かを始めよう!!!と思い立ったとすると、どういう手段を取るか。私はほとんどの人はYouTube、インスタ、TikTokあたりを選ぶのではと思います。なぜならそっちのほうが見られるから。
逆に2025年の今、よーしブログやるぞーという発想になるのはマジのジジイくらいではないでしょうか。そしてそれは何者でもない人がド新規でやっても99%成功しないと思います。なぜなら読まれないから。仮にやるなら最初からオモコロ杯狙いでいくしかないでしょう。ブログサービスがどんどん終了していく現実がそれを物語っています。
あるいは私がやっていたこういう昭和モノを巡るようなブログ
nipponnostalgie.hatenablog.com
とかであれば、今の時代だったらインスタやXに専用アカウントを立てたりして「コンテンツ」にしたほうがバズりやすいはずです。ブログを併用すればギリ育ってきた際に書籍化の話とかあるかもわかりませんが、軸足はSNSのほうがいいと思います。ハイエナの記事の何割かも「●●あつめ」とか「●●コレクション」みたいのですが、今の時代、記事としてあってもほとんど読まれません。ケアムーラさんがこういう定点観測収集系が得意な人ですが、それぞれ専用のインスタやったほうがいいと思います。これマジで。
あと著作権的にグレーだったりの理由もあってハイエナの記事とは別で今もとんかつさんが淡々と投稿してくださっているダサセーター画像も、まさに「コンテンツ」として優秀だからここまで育っているわけです。今Xのフォロワー16万人超えてるくらいだもんな。これはとんかつさんのタイミングで何かの業者にアカウント売っちゃってもいいのではとすら思っていますが。
ハイエナとは一切関係ないのですが、個人的にすきでよく読んでいたブログの「限界ニュータウン探訪記」というのがあります。千葉近辺の分譲地とかを巡るブログです。
これもずっとそこまではハネてなかったのですが、YouTubeを始められてから劇的に伸びました。今はかなり活動の幅を広げられているようです。
要するにブログであったりWeb記事であったりというもの自体が読まれない、見つからなくなってきているわけです。今は動画とか、動画でも更にショートで1.5倍速くらいの早いやつ、みたいなのが主流で、昔でいうと「若いのに小説読んでて知的ぶってる奴」の立ち位置が現在は「若いのにブログやWeb記事なんて読んで知的ぶってる」くらい言われちゃうのではないでしょうか。メインストリームのメディアではない状態ということです。
文章や記事の面白さの本質は別に昔から変わらないし、動画や写真で出せない「文章ならではの面白さ」は勿論あるけど、一方で「文章や記事〝でなければいけない〟」内容のものも今はとても少ないと思います。昔は動画を出すのも難しかったから記事に無理やりgifを入れたりほんの数秒の小さな動画を埋め込んだり、みたいなことをしていましたが、今だったら最初から動画でやったほうがいいネタも沢山あります。私自身も「動画でやれや」って思うテーマの記事はダルいので全然読まなくなりました。
■TwitterからXの変化でバズらなくなった
記事読まれないにも関連しますが、Xになって露骨に外部サイトへの誘導・宣伝ポストが以前ほど伸びなくなりました。あと、長文投稿がOKになったこともあるのか、そもそもXの外部サイトを見に行くという「ひと手間」すら惜しむ人が増えた印象があります。ガレソみたく言いたいことは1ポストに画像も含めて全部収めておかないとそれすら見ない、みたいな。私の文章をここまで読んでいるくらいきちんと文章を読む習慣のある人は別でしょうが、ネットのバズを左右する大多数の浮ついた「grok ファクトチェック」って言ってるレベルの知能の人間はもう外部サイトなんて見ないのが現実ですね。ここまで読めている貴方はgrokファクトチェックゾンビ人間を見下して生きていきましょう。
おわりに
最後に、これはあまり考えないようにしてたのですが、フェロモンさんという古参メンバーが数年前に亡くなったという話を聞きました。話を聞いただけで葬式も行ってないし実は生きててウソというならそれでいいと思ってるくらいだし、全く実感がないものの、それがかえって心の穴が埋まらない状態が続いている気がしています。どこか虚しい。人はいつか死ぬのです。残念だけど。先に書いた「子育て…」のところでガンダム冒頭の「人類は子を生み、育て、そして、死んでいった」のナレーションのパクリを書こうと思ったけどシャレにならないので書かなかったのはそれが理由です。(今ここで書いたが…)
かつては家が近くて何度もオフ会で飲んだりとかもしてたのですが、一方でフェロモンさんは相当なワーカホリックで休みがほぼなし、更にある時期に会社から独立されて仕事されており(士業だったので)本当に社会人として凄い方で、そんな人が汁男優が主人公のライトノベルを書いてるなんて完全にイカれているのですが、
そういう超働き詰めの背景が早逝の理由なのかあるいは別なのか、その辺も全く知りません。とはいえ、私とほぼ同い年の身近で仲良くさせてもらった人間が死ぬのはショックです。せめて記事だけでも維持できればと思う一方、こんな汁男優のラノベを消せないまま逝ってしまったのは死んでも死にきれないのかあるいは感謝されるのか、それはわかりません。
先日、fc2webがサービス終了と聞きました。フェロモンさんのブログも消えます。ネットに出たものは一生残ると言われてますがあれはウソです。かつて違法アップロードで使われていたWinnyのユーザーの間で一部のアホがウイルスに感染し、自分の彼女のハメドリを流出させたりしていましたが、あれらの写真も今やほぼ出回ってないでしょう。時間が経てばネットからはデータも人も消えます。フェロモンさんのブログもWebArchiveには残ってますが、そこに今後偶然出会う人は極めて稀でしょう。残ってるけど残ってないようなものです。インターネットに生き続けるためには何かを発表し続ける必要があるのです(そして私がこの記事を書いたので、この記事が残る限り、フェロモンさんの生きた証は誰かに引っかかる可能性が少しだけアップしたかも)。
Webに上がっているものも、何かのきっかけで引っかからなければ無いのと同じです。今のハイエナズクラブをダラダラ続けて立ったまま死んでるサイトであるくらいなら、一回仕切り直すなり、YouTubeでメントスコーラをしたり、TikTokで謎のダンスを配信していくなり、前に進んだほうが正しいと思います。だからここでの一旦の閉鎖はポジティブなことだと私は思います。
そして私はやっぱりネット自体は嫌いになれないし、何かを作って発表するというのが趣味なのでこれは一生やめられないと思います。新生ハイエナズクラブができたら図々しいながらも参加したいし、今になって記事の構想が幾つか生まれたりもしています。まあ何にしてもそうやってネットに何か垂れ流し続け、死の間際までネットに生きたいと思います(自●配信をするという意味ではないです)。
これからもよろしくお願いいたします。