デイリーポータルZ等で活躍されている大北さん主宰のコント『明日のアー』。
昨年の公演も見てとても面白かったので今年も見てきた。今年の休日は見に行く余地が無かったので平日狙いで行きました。当日券でもちゃんと良い席に座れた(この写真を撮った位置くらい)。渋谷ユーロライブってどこだろと思ったらロフト9の上なのね。
自分は舞台恐怖症があって、そういう演劇や舞台というものを長らく遠ざけていた。大学時代のサークルの先輩が、別サークルの活動で演劇をやっていて見に来てくれというので西武線の野方駅近くの劇場まで見に行ったのだが、本気で死ぬほどつまらなくて精神が死んだ経験から「演劇? いやー行けたら行きます(行かねっ!)」を続けてきたのだ。ちなみにその劇は天使が主役で人間にどうのこうのするという陳腐な内容で、陳腐オブ陳腐。チンプイもびっくりの陳腐。
↑チンプイ
先輩は最初の5分の端役で出ていて、「チケットさばく見返りじゃん」と思ったのを20年前の出来事なのによく覚えている。
大北さんの記事のコント的な展開のやつは他の人ではなかなか書けないタイプのそれで、唯一無二に面白い。他のライターがやるとどうも胡散臭いというか、"予定調和で偶然を装った"り、"カマトトぶって本気を出したフリをしたり"した「コント的な展開」を仕込んでおいてスベってる……みたいなのがよくある。「○○って何?(知ってるorググればすぐ出るくせに…)」とか「○○をしてみたい!(嘘つけや…してみたいなんて一度も思ってねえだろ…)」とか、そんな記事だと前提部分でまず冷めてしまう。
が、大北さんはちゃんとコントである。別に偶然を装うでも、嘘をついているでもない。正々堂々としていて、Twitterの嘘松系バズ狙い野郎がよくやる「事実ゲタ(事実である前提だからこそ面白いが、もし作り話だったら全然面白くないやつ)」を使わない。そこも尊敬できる。またある種の検証記事のような知的好奇心に訴えかける面もあり、要するに面白い。
このへんは特にぼくが大北さんのすごみを感じている記事。
ただの大北リスペクトばっかりで話が逸れたが、こういう発想(こういう内容じゃないけどこういうことを考えられる人が)をライブで、舞台でやるわけです。面白くないわけないね。
でもおもしろと言っても全編ギャグ通りっぱなしではなくて、ズバッとTHE本質みたいなことをぶっこんできたりするのもまた良い。
のちのち映像化したりするかもしれないけど、あるあるネタや時事ネタの旬、リアルタイムだからこその同時代・同空間・同一タイムラインであるからこその良さが絶対にあるので、ナマで見た方が良いと思う。
(テレビドラマやアニメなどでも、リアルタイム視聴と後の時代に自分のペースで見るのとはまた違うと思う。当たり前だけどナマの舞台と収録DVDなんかではそれがかな〜り違うだろうな、ということ)
自分みたいに舞台・演劇アレルギーがありそうな人はまず来てみたらいいと思います。
※中身は当然ネタバレにならないよう触れませんが、演目名は最初に配られるパンフレットに記載されていたのでここまでは書いていいと判断させていただきます。
アルバムタイトル曲的な位置づけなのだろうか、『最高のアー』という演目がとても笑えた。ただ、この内容って言わば"普通のお笑いのコント"でも通用するやつ(お笑い芸人コンビがお笑い番組でやってるような)じゃんと思って、それは良い意味でマスに広がれる面白さじゃないのか!?って驚きもあった。要するに大北さんが今後テレビなどで活躍する筋もオオアリだなと思った次第です。
あとは単純に『撥水書道』が好きです。それからしょーもないアニメの揶揄の小ネタもゲラゲラしていました。
感想は以上。予約してない方は11/6当日券で見よう!入れないってことは無さそうなので。
演者でもあり途中で演奏も入るバンド「左右」も超かっこいいです。Tシャツとアルバム買った。
そして急に日記。
タピオカのヴィジュアルとの相性という意味でシカはどうなのだ、と前々から思っていたタピオカ屋。ロフト9の近くにあってようやく初めて飲むことができた。ジア・レイだと勝手に思っていたらジ・アレイなのね。味は、まあその、タピオカドリンクですね。